タロット 京都の占い師による解説
タロット……一番知られている占いでしょう

タロット
構成
現代では、78枚1組が一般的で、寓意画が描かれた22枚の大アルカナ(絵札、トランプのカード)と、ワンド(棍棒)、カップ(杯)、ソード(剣)、ペンタクル(五芒星)のスート(マーク)の4組に分割される56枚の小アルカナ(数札)で構成される。
用途
タロット占いは、78枚のカードを用いて、現在や未来の状況を占う方法である。カードには、人生の様々な局面を象徴する絵柄が描かれている。それらを解釈することで、相談者の抱える問題や悩みに対する洞察を得ることができる。
タロット占いは、自己理解や意思決定のためのツールとして活用されている。カードの配置や組み合わせによって、相談者の内面や環境を多角的に分析し、問題解決のためのヒントを得ることが可能である。また、心理療法の一種としても認識されており、セラピーの一環として用いられることもある。
タロットの歴史
タロットの始まり
ところでタロットカードの起源は15世紀のイタリアにさかのぼると言われている。当初は、ゲーム・娯楽の目的で使用されていた。だが、18世紀になると占いの道具として認識されるようになった。
ゲームの道具からオカルトへ
近世のカード占いは、18世紀に始まった。近世になると、寓意札と数札の組み合わせに様々な神秘性を見出す人々が登場し、ひらめきによってタロットのエジプト起源説を唱えたパリの百科全書派の学者アントワーヌ・クール・ド・ジェブラン(フランス語版)や、同じくエジプト起源説を唱えて全体をヒエログリフで書かれた古代エジプトのトートの書と捉えたド・メレ伯爵等、フランス人のタロット論が神秘化に決定的な影響を及ぼし、ゲームの道具からオカルト的なものに変容していった。
彼らのエジプト起源説は根拠はなかったが、神秘的解釈の要素の多くが含まれており、この後に続く者達は、二人の説明の空白部分を埋めるように、自由に象徴の発想(妄想)を膨らませ、かなり強引に神秘的解釈を重ね合わせていった。彼らが想像したタロット観は、エッティラ(フランス語版)(エテイヤ、ジャン=バティスト・アリエット)に引き継がれた。
タロットのオカルト化
エッティラの系統の「エジプト・タロット」とそのヴァリエーションは生産され続け、19世紀末西洋の近代オカルティズムの盛り上がりの中で存在感を獲得していった。19世紀のオカルティストのエリファス・レヴィは、占いの道具というより「古代の書物」で「神秘を解き明かす鍵」であると主張して、強引に22枚の寓意札と22のヘブライ文字の照応を論じ、動物磁気説に影響を受けたアストラル光(星気光)の理論と関連付ける形で、魔術と結びつけた。タロットはユダヤ教の神秘主義思想カバラと関連付けられた。心身変容法のツールとして使われるようになり、オカルトの文脈の中に位置付けられた。
イギリスとタロット
イギリスでは19世紀初頭から魔術書の出版が盛んで、オカルト知識の普及が進んでいた。しかし、フランスで発展したオカルト・タロットについては知られていなかった。思想家のイギリス人マッケンジーがレヴィに様々な図版やタロットを見せてもらった。そしてオカルト・タロットをイギリスに紹介しようとタロット本の準備を進めた。しかし実現することなく死去した。彼が残した暗号で書かれたタロット原稿と儀式群は、フリーメイソン系の薔薇十字団員の友人だったウィリアム・ウィン・ウェストコットの手に渡った。
ウェストコットらはこれを「暗号文書」と呼んで黄金の夜明け団創立の土台とした。この文書に書かれたタロットとヘブライ文字の照応関係は黄金の夜明け団の秘伝となった。団員たちはこれを発展させ、広めていった。ウェイト=スミス版タロットも、アレイスター・クロウリーのトート・タロットもこの系譜にある。現代の定番の占い方である「ケルト十字展開法」にも黄金の夜明け団が関わっている。
マルセイユ版タロットの出現
フランス最古のタロットは、1557年にリヨンで作られた「ケイトリン・ジョフロイ版」である。だが、このデッキは図像的にみるとかなり特徴的である。のちの「マルセイユ版」の元祖とは言い難い。
いわゆる現在の「マルセイユ版」とほぼ同じ図像、絵柄が確立したのは、1650年頃のパリで発行されたジャン・ノブレの「ジャン・ノブレ版」が最初である。これが遡りうる限りでのマルセイユ版の元祖と言い得る。最古のタロット占いの記録は18世紀前半のタロット占いのやり方を記したシートである。この記録によれば、タロットカードにはそれぞれの意味が1枚ごとに割り振られていたようであるが、当初はもっぱらゲームに使われていた。
この系統は生産地となったマルセイユにちなみ「マルセイユ版」と呼ばれる。この頃はまた、ちょうどフランス革命前後の不安定な社会を背景に、占い師エッティラが活躍していた頃に重なった。タロットを神秘的なものと見る風潮が高まって占いにも多用されるようになっていく。パリの占い師たちに神秘的でエキゾチックに見えた。この頃までにフランスでは東部地域を除いて遊ばれなくなっていたためである。
タロット第1の革命
エッティラ(エテイヤ)やその他の人々がタロットにオカルティズムを注入し、その結果新たなタロットが作られ、一般的に占いに使われるようになった。ジェブランがエジプト起源説を唱えると、エッティラが新解釈のタロットを作り出した。
エッティラは上記のカード占いの方法をつかって最初の体系的な占い術を編み出し、1783年から1785年にかけて『タロットと呼ばれるカードのパックで楽しむ方法』を出版した。彼はジェブランを信奉し、エジプト起源説によって神秘主義的な意味づけをした。また占いに初めて「逆位置(リバース)」という解読法を加えた。さらに、小アルカナの4スートに、四元素を当てはめるなどした。初めてタロットと占星術を具体的に結びつけ、大アルカナから3枚を除いた19枚に7惑星や12星座との関連を与え「机上の占星術」という一面をもたらした。
これらのタロット大革命により、エッティラは事実上、現代につながるオカルト・タロットの開祖となった。また、独自の考えに基づいて大幅なカードの順番入れ替えと絵柄の変更を行った。そして、占い専用でしかも美麗なオリジナルデザインの「エッティラ版タロット」デッキを作成した
タロット第2の革命
19世紀イギリス
イギリスでは19世紀初頭からフランシス・バレット等の魔術書の出版が盛んでいた。さらに占星術師ラファエルが出す年鑑等を通しオカルト知識の普及が進んでいた。また、リットンのオカルト小説『ザノーニ』による薔薇十字啓蒙も盛り上がっていた。しかし、フランスで発展したオカルト・タロットについてはまだ知られていなかった。
フリーメイソン的薔薇十字思想家のケネス・マッケンジーが、1861年にエリファス・レヴィ宅を訪問して様々な図版やタロットを見た。そしてイギリスにオカルト・タロットを紹介しようと本の準備を進めた。しかし彼は飲酒や借金で身を持ち崩し、本を出版することなく1886年に死去した。
彼が残した暗号で書かれた原稿と儀式群は、友人の英国薔薇十字協会(英語版)会員ウィリアム・ウィン・ウェストコットの手に渡った。そして「暗号文書」として黄金の夜明け団の創立の土台になった。ここに書かれたタロットとヘブライ文字の照応関係は結社の秘伝となった。この系統から後にいくつかの有名なタロットが生まれた。
ウェイト=スミス版の出現
タロット史の第二の革命は、黄金の夜明け団系の解釈とフランス系の特徴を折衷したアーサー・エドワード・ウェイトによる構造を元にパメラ・コールマン・スミスが絵を作画した「ウェイト=スミス版タロット」である。黄金の夜明け団系であり、スートは教団の慣習に従って、剣(ソード)、棒(ワンド)、杯(カップ)、ペンタクルと呼ばれている。
ところでこのデッキは「イギリスで商業的に発売された最初の完全な占い用タロットデッキ」「エテイヤ(エッティラ)の伝統から独立した世界で初のデッキ」である。非常に成功し、長年に渡り最も人気のあるデッキであり続け、現在も売れ続けている。この後のタロットの多くは、パメラ・コールマン・スミスのデザインを借用している。そしてデッカーとマイケル・ダメットは、「オカルトデッキの標準パターンを打ち立てた。」と評している。
タロット第3の革命
タロット史の第三の革命は、1972年イギリスの「アルフレッド・ダグラス版」とよばれるタロットの出現である。特にシンプルで力強い大胆なデザインと原色を基調とした鮮やかな色彩で人気を博した。この大ヒットから、あらゆるものをモチーフとした、自由なアイディアを盛り込んだオリジナルデザインのカードが無数に作られるようになっていった。
これ以来、映画『007 死ぬのは奴らだ』の小道具として創作された「007タロット」、ヒンドゥー教のタントラに基づく「ダーキニー・オラクル」、日本風の「浮世絵タロット」、不思議の国のアリスのタロット、サルバドール・ダリがデザインした巨大サイズのタロット、ユング心理学に基づく「ユングのタロット」等、多くのタロットが誕生した。そして現在も様々なタロットが生み出され続けている。
トート・タロット
トート・タロットは、20世紀の魔術師アレイスター・クロウリーが考案し、画家フリーダ・ハリスが約5年かけて制作した、象徴と秘教的意味が深く込められたタロットカードで、「史上最高のタロット」とも呼ばれます。その複雑さと奥深さから、一般的なウェイト版タロットとは異なる独自の解釈とリーディングが特徴です。
非常に詳細で複雑な象徴が描かれています。占いの結果だけでなく、自己の成長や精神世界への探求にも使われます。ちなみに大アルカナは「アテュ(Ateh)」、小アルカナは「スモール・カード」と呼び、人物札は「コート・カード」です。
エジプトの知恵の神「トート(トト)」に由来します。黄金の夜明け団の教義に基づき、クロウリーのテレマ思想も反映されている。初心者向けの解説書も多数出版されています。ちなみに象徴が多いため難解とされることもあります。しかし、初心者向けの解説書や実践ガイドが豊富にあります。親しみやすく、実用的に使えるようになっています。

