宇治市の占い処とある青年の物語 終章
占いと出会ってから数ヶ月が経過して
「おい、最近おかしくないか?」
「何が?」
「あの人だよ。」
「あの人の何がおかしいって?」
「店の横で倒れていた時にはこいつものになるのか、と思ったらこの数ヶ月のうちにいろいろな占術を覚えて今やうちの看板占い師になりつつあるし。しかしゆめちゃんもとい店長がきっちり教え込んでいるだけあるよ。なにしろこのところ毎日遅くまで根詰めて勉強してるしな。」
「奥さんは奥さんでしかし接待上手くなったし。あの時軽トラで突っ込んできたときはしかし恐怖だったよ。さて、なにしろ教えていたのがうちの名物おばさんだけのことはあるしな。それにしても夫婦そろってうちの戦力として欠かせない存在になって来たのは大きいな。」
「しかしおばさんはおばさんであの夫婦の子どもにかかりきり。これも大きいな。それにしても孫ができたみたいに喜んでるし。そして、あの雷おばばも変われば変わるもんだ。しかし俺、おばばが笑っている顔なんて見たことなかったぞ。」
「俺も。それにしてもおばばってああ見えて子ども好きなんだな。」
奥さんからお茶の差し入れ
「お茶いかがですか?」
「あ、ありがとうございます。」
「遠慮なく頂きます。」
「うちの旦那をどうぞよろしくお願いします。では、失礼します。」
「噂をすれば影と言うものかな。」
「俺たちも負けていられないな。」
「ああ、そうだな。」
「2番PC、鑑定希望入りました。ご対処お願いします。」
「じゃあしかし俺が入るよ。」
「ああ、頼むよ。次は俺だな。本当に店の雰囲気がいい方に変わったな。」
「3番PC、鑑定希望入りました。ご対処お願いします。」
「よし、俺も頑張るか、入りまーす。じゃあ今日は帰りに久々のニンテンドーミュージアムに寄るかな。」
こうして占い処は今日も忙しく動き回っていました……
完