源氏物語あらすじ その4
第二部 女三宮降嫁
若菜 上
(源氏39歳冬-41歳3月)
源氏の四十歳を祝い、正月に玉鬘が若菜を献じる。一方で朱雀院は出家に際して末娘女三宮の行末を案じ、これを源氏に嫁がせる。紫の上の憂慮はひとかたならず、源氏自身も14才の彼女に対して愛情を感じられないが、兄帝の皇女を無下には扱えない。秋、源氏四十の賀が盛大に行われる。さらに翌年の春には明石女御が東宮の子を出産し、源氏の権勢はいよいよ高まりつつあるが、その陰で、六条院の蹴鞠の催しに女三の宮を垣間見た内大臣の子息・柏木は彼女へのひそかな思慕をつのらせる。
空白部分
(源氏41-47歳)
「若菜」の上下のあいだには七年分の空白がある。そのあいだに冷泉帝が退位し、今上帝(朱雀帝の子)が即位。明石女御の子は東宮となっている。
「若菜」を上下に分けるのは後代の帖立てで、本来は一巻とされる。
若菜 下
(源氏41歳3月-47歳12月) 朱雀院五十の賀に際して女楽が催され、源氏は女三の宮に琴を教える。女楽の直後、紫の上が病に臥し(そのときは六条御息所の死霊が物怪となって取り憑いていた)、源氏はその看護に余念がない。その間に柏木は小侍従(女三の宮の乳姉妹)の手引きでかねてよりの思いを遂げ、その後も何度かの密会と契りを経て女三宮を懐妊させる。柏木が女三宮に送った手紙を手にして事情を知った源氏は、懊悩する。一方で源氏の遠まわしな諷諌に、柏木は恐怖のあまり病を発し、そのまま重態に陥る。
柏木
(源氏48歳正月-秋)
年明けて、女三の宮は男の子・薫を生むが、柏木は病篤くして亡くなり、女三の宮も罪の意識深く、また産後の肥立ちの悪さから出家する(実際の原因としては、既に亡くなった六条御息所の物怪が女三の宮に取り憑いて出家を促させたことが背景である)。源氏は薫出生の秘密を守り通すことを決意する。一方で柏木に後事を託された親友・夕霧は、残された柏木の妻女・二宮(落葉の宮)を見舞ううちに彼女に惹かれてゆく。
横笛
(源氏49歳春-秋)
秋、柏木の一周忌が営まれる。落葉の宮の後見をする夕霧はその礼として宮の母から柏木遺愛の横笛を贈られるが、その夜、夢に柏木があらわれて、自分が笛を贈りたいのは別人である(薫を示唆)と言う。夕霧は源氏にこのことを相談するが、源氏は言を左右にしてはっきりと答えないまま横笛を預かる。
鈴虫
(源氏50歳夏-秋)
夏、出家した女三宮の持仏・開眼供養が行われる。秋、その御殿の庭に鈴虫を放って、源氏らが宴を行う。その夜、秋好中宮が死霊となって苦しむ母・六条御息所の慰霊のため出家したいと源氏に打ち明けるが、源氏はこれを諌める。
夕霧
(源氏50歳秋-冬)
秋、思いを抑えきれない夕霧は人目を忍んで落葉の宮に意中を明かすが、彼女はこれを受け入れない。しかし世上による両人の噂は高く、落葉の宮の母御息所はこれを苦にして病死する。落葉の宮はいっそう夕霧を厭うが、夕霧は強引に彼女との契りを結び、妻とする。雲居雁は嫉妬のあまり父・致仕太政大臣(かつての頭中将)のもとへ帰って、夕霧の弁明をも聞きつけない。末尾に夕霧の行末とその一門の繁栄が語られる。
源氏の死
御法
(源氏51歳春-秋)
「若菜」の大病から紫の上の健康は優れず、たびたび出家を願うが源氏はこれを許さず、紫の上はせめて仏事によって後世を願う。春から秋に掛けての、六条院最後の栄華と紫の上の病状が描かれる。秋、紫の上は病死し、源氏は深い悲嘆にくれる。
幻
(源氏52歳正月-年末)
紫の上亡き後の源氏の一年を四季の風物を主として叙情的に描く。年末に源氏は出家の意志をかため、女君たちとの手紙を焼き捨てる。
雲隠
帖名のみで本文は伝存しない。帖名に源氏の死が暗示されているというのが古くからの定説。「宿木」に出家後数年、嵯峨に隠棲して薨去したことが記されている。
第三部 源氏死後の世界
匂宮(「匂兵部卿」)
(薫14歳-20歳正月)
物語は源氏の死の数年後から始まる。源氏一門の繁栄は明石中宮と朱雀帝の子・今上帝の皇子たちを中心にゆるぎない。ことに明石中宮腹の三宮は色好みで名高く、薫と並んで世にもてはやされている。天然の薫香が身から発するために「薫」、それに対抗して名香を常に焚きしめているために「匂宮」と二人は呼ばれる。
紅梅
(薫24歳春)
柏木没後の頭中将家の物語。致仕太政大臣(頭中将)の孫娘・中の君と匂宮との結婚が画策されるが、真木柱の姫君と蛍兵部卿宮の娘に心惹かれる匂宮は相手にしない。後人の偽作説が濃厚。
竹河
(薫14歳-23歳)
鬚黒没後の一家の物語。玉鬘の二人の娘は、大君が冷泉院に嫁し、中の君が宮中に出仕することになる。夕霧はこの一家と親しく、彼女たちから好感を持たれている。後人の偽作説が濃厚。
